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15/ 電通「鬼十則」

電通四代目社長 吉田秀雄氏の哲学を書いた本

日本の民法の父であり、「広告の鬼」とも呼ばれた電通四代目社長 吉田秀雄氏の哲学「鬼十則」についての本

以下、個人的に印象に残った部分を要約しつつメモ

電通鬼十則

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない。

2. 仕事とは、先手先手と働き掛けて行くことで、受け身でやるものでない。

3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。

4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。

5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは・・・

6. 周囲を引きずり回せ、引きずると引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。

7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。

8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚みすらない。

9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。

10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

仕事は戦いである

仕事は戦い、戦争だ。先手で勝ちを取る。仕事は戦争という考えがいつからなくなったのだろうか。平和ボケが、仕事にまで影響している。だから、ならず者国家の北朝鮮などに国ごとなめられてしまうのだ。もっとも、経営トップから平和ボケは起こっているのかもしれないが。

蟹は甲羅に似せて穴を掘る

蟹は甲羅に似せて穴を掘る、とよく言われる。 人は、知らず知らずのうちに自分相応の型に合わせて満足してしまうのだ。 大きく伸びる可能性はおそらく誰にでもあるのだが、自分自身が箍をはめて、そこそこに固まってしまうのだ。

本を読め、人に会え、そして旅をしろ

文藝春秋の名編集長で、のちに社長になった池島信平は、かつてこう言っている。

「本を読め、人に会え、そして旅をしろ」

おそらく池島信平の経験から得た知恵で、人生の達人を目指すならこれしかないということを、三つのテーマに絞って伝えてくれたのである。 特に旅は、人を変える。 知らない土地は、人の視点を変え、生き抜くアイデアとエネルギーを与えてくれるヒーリングパワーに溢れている。 寺山修司の『書を捨てよ、街へ出よう』も、同じ発想である。 みなさん、旅に出よう。本を読んで、人に会って、旅に出よう。 満州の大平原に壮大な日輪を刻んで悠然と沈む、まっ赤な太陽を見に出かけよう。 大きな仕事に取り組む構想が、ふつふつと湧いてくるからだ。 本と人と旅は、魂の触媒である。

良い人になるな、人を引き摺れ

いい人というのは、大概、周囲に引き摺り廻されて来た人たちである。逆らわない人たちのことだとも言える。文句を言わない人たちである。いわゆる人畜無害ということだ。人畜無害は、未来を創造することができない。これは、現代の奴隷である。

一流のビジネスマン、一流の企業経営者を目指そうとしたならば、周囲を引き摺り廻す人間でなくてはならない。理屈ではない。この信念を貫かない限り、一流になることはできないのだ。 それは、いつの時代でも真理である。最近こうなったのではない。ギリシャ、ローマの時代からずっとそうであった。凡百の陰謀が、この真理をいつの時代でもどこかに押し隠してしまうのだ。人にやさしい経営だとか、共生の時代だとか、愛のある社会だとか言い放って、ごまかすのである。それも十分大事だが、それは一面に過ぎない。宇宙は、陰と陽、プラスとマイナスの電気で成り立っていることを考えてみて欲しい。評価は、二面でしなくてはならない。

摩擦を恐れるな、摩擦は進歩の母である

世の中には、プラスの摩擦とマイナスの摩擦がある。もちろん、トラブルメーカーは、マイナスの摩擦を起こす人のことを指す。その区分はどこでするか。それは、摩擦が世のため人のためになる摩擦かどうか、ということ一つにつきる。しかし世の中には実際、沢山のトラブルメーカーがいる。トラブルメーカーと摩擦を怖れず行動する人とは、似て非なるものである。摩擦を怖れないということは、天をも怖れぬということではない。むしろ、その逆である。天を怖れる人のことだ。天、つまり宇宙の法則に沿って行動する人を指すのだ。これは、心がまっすぐということに通ずる。

物と物がぶつかれば、必ずそこには熱エネルギーが発生する。これは、自然科学の大法則である。人が何か新しいことをやろうとすれば、必ず反対する人がいる。不思議なことだが、何か革新的なことを実行しようとすると必ずと言っていいほど、二〇%の熱烈な支援賛成者と二〇%の強硬な反対者が出る。それだけではない。利害関係が必ず生ずるから、利益にならないと思う人は、反対するばかりか妨害する。これを怖れてはいけない。だから摩擦を当然と思うことだ。イノベーターたらんとすれば、摩擦を楽しむくらいの心構えが不可欠である。

「粗にして野だが、卑ではない」と言ったのは、国鉄(現在JR)総裁の石田禮助である。私は、この言葉が好きで好きでたまらない。国会に呼ばれた時の答弁の一節で、当時有名になった言葉である。卑しくないから怖れない。摩擦も辞さない。信念の人であった。

Last updated on Dec 07, 2022 00:00 JST
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