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39/ 頭のいい人が話す前に考えていること

コンサルタント兼経営者の安達さんが書かれた話し方と思考法についての本

コンサルタント兼経営者の安達さんが書かれた話し方と思考法についての本

7つの黄金法則

1. いかに「反応しない」か

  • 感情的になったらその時点で負け

    • 怒っている時は頭が悪くなる
  • 冷静でいるための2つの技術

    1. すぐに口を開かない (必ず6秒待つ)
    2. 相手の反応をいくつか予想して比較検討する
  • 早い思考と遅い思考

ダニエル・カーネマンは著書『ファスト&スロー』の中で、人間の思考には「早い思考(システム1)」と「遅い思考(システム2)」があると述べています。

簡単に説明すると「早い思考(システム1)」はいわゆる直感的な思考で、「遅い思考(システム2)」は論理的な思考のことを指し、基本的に人間は「早い思考(システム1)」が優位にあるとカーネマンは言います。 つまり、すぐに口を開いてしまうと「早い思考(システム1)」の直感的な感情先行の発言をしてしまうのですぐに口を開かずに、自分の発言で相手がどう反応するかいくつかのシナリオを比較検討することで「遅い思考(システム2)」を働かせるのです。

  • 怒りが生まれてから理性が働くまでに6秒かかると言われている

前頭葉が本格的に働き始めるまでにかかる時間は3~5秒程度と考えられています。 イラッ ムカッとしたときは、まずは6秒待ちましょう

2. 頭の良さは「他人」が決める

  • 社会における頭の良さとは「他人の思考を読み、他者の信頼を得て、他者を動かす能力」

  • 無人の山で木が倒れても音はしない。音は知覚されて初めて音になる。

どれだけ優れたアイデアを思いついても、他者に伝わらなければ、そのアイデアは存在しなかったことになるのです。

頭のよさは他人が決めるという前提に立ち、「他者がどのように思うか」を意識することこそ、知的で慕われる人が持つマインドの根本であり、思考の質を高めるために最も大切なことなのです。

3. 人は「ちゃんと考えてくれている」人を信頼する

  • 賢いフリでは人は動かせない

    • 賢いふりを繰り返していると聞く耳を持たれなくなってしまう
  • 最初に発言する人間を評価する

    • 賢いふりをしようとすると他人の話から発言した方が合理的
    • 一番最初に間違えるやつが一番偉い
  • 相手のことを「ちゃんと考える」

なぜ「好きな色」を素直に答えたら不機嫌になったのか、妻に聞いてみました。 答えは「私のことちゃんと考えてくれてない気がしたから」でした。

4. 人と戦うな、「課題」と戦え

  • 論破したり勝ち負けを意識するのは最悪のコミュニケーション
    • 議論の奥にある本質的な課題を見極める

相手の言っていることからその奥に潜む思いを想像して話す

5. 話し方のテクニックにとらわれるな

  • 口のうまさで取り繕うくらいならいっそ沈黙して考える

「黙ってもいい、むしろ積極的に沈黙しろ」

6. 知識は「誰かのため」に使って初めて知性となる

  • アドバイスをしない。意見を言わない。知らないフリで相手の思考を整理してあげる。

真に頭のいい人は賢いフリではなく、「知らないフリ」ができる人である。 簡単にアドバイスするな、意見を言うな、とにかく相手に話してもらえ

7. 承認欲求を「満たす側」に回れ

  • 承認欲求を満たしてもらう側ではなく、承認欲求を満たす側に回ることで、上手に信頼を得る
  • 口での自己アピールではなく、結果で示す

他者は褒めつつ、自分は「なんでもない人間です」という顔をするのが、知的で慕われる人の態度です。

  • カリスマ性は承認欲求を満たす側になることで生まれる

その経営者は自社の社員の一人ひとりの子どもの受験日まで覚えていて「息子さんの受験が心配なら、今日は帰ったらどうだ」とか、社員の配偶者の誕生日には必ず花を届けさせる、とか、細かく他者に親切にすることを実践するのです。

もちろん、その経営者は意図的にやっています。 その一連の行動は「形だけ」ではなく、本気でした。

5つの思考法

1. 「客観視」

  • バイアスに意識的になり、反対意見やデータに当たることで思考を深める

    • 確証バイアス

      確証バイアスとは、自分の都合のいい情報ばかり集めて、自分にとって都合の悪い情報は無視する傾向のことです。人間は見たい世界しか見ないのです。

    • 後知恵バイアス

      結果を知ってから判断しているのに「〇〇だと思っていた」は賢いフリの典型

  • 言葉の定義を明確にする

  • 成り立ちを知る

2. 「整理」

  • 話のわかりやすさは物事の「本質理解度」に依存する

    • さらに、本質理解をするためには、どれだけ細かく「分けて整理」できているか
  • 結論から話す = 相手が聞きたい話を最初にする

    • 結論から話すためには、その都度「相手の求めている結論」を推測して、それから話す
  • 事実と意見を分けて話す

3. 「傾聴」

  • 相手の話を聞いている時に、次自分が話すことを考えたりしない

  • 「相手から学ぼう」という意識で話を聞く

    もし今、〝人生がそれほどうまくいっていない〟と思うなら、人の話をよく聞くだけで、人生は好転する

  • 話が途切れたら、むしろ沈黙する

    相手の話が途切れたら、まずは沈黙して、相手が話し出すのを待ちましょう。沈黙を怖がってはいけません。

  • 好奇心を総動員する

    相手の話がつまらないと感じるなら、それは自分の好奇心が足りないからです。

  • アドバイスをするな、整理せよ

コンサルタントはアドバイスする職業ではなく、交通整理する職業だ

「こうしたい」という相手の意思が聞けたら、それを素直に推してあげましょう。あなたの思う解決策やアドバイスを話す必要はありません。

あえてなにかするならば、つじつまが合わない部分を「これって〇〇だよね」と確認だけして下さい。

4. 「質問」

  • 質問を通じて、相手の「考えを言語化してあげる」

  • 「それって〇〇だったりしない?」のように仮説を持って質問することで、その仮説が外れていたとしても話を引き出すことができる

5. 「言語化」

  • 言語化によって思考の質が深まる

  • 言語化のコストを進んで払う側になれ

    • メールやチャットなどで文章にするのは「言語化のコスト」がかかるため避けがち
    • とりあえず電話をするのは「相手に言語化のコストを払わせる」行為
  • 再定義の型「〇〇ではなく、△△である」で良質な言語化する

  • 小並感「面白い」「ヤバい」「エモい」「すごい」を使わないようにする

    • Blogの所感も「面白かった」とはできるだけ書かずに自分の体験と本の内容を重ね合わせるイメージで感じたことや役に立つと思った部分を書き留めるようにする

所感

  • 「マイブーム」や「ゆるキャラ」というネーミングが作られたことによってそれまでこの世に存在しなかった概念が生み出され、流行したという事例から「言語化の力」を甘く見てはいけないという話は非常に納得感があった。自分も小並感をよく使ってしまっていたため、当Blogでも以降は「面白かった」などといった感想は書かないようにする。
  • 「知らないフリと質問によって相手の思考を整理する」というのはこれまでも意識していたつもりだったが、「アドバイスをしない、意見を言わない」というレベルまで徹底する意識はなかったため、適切に取り入れることにする。
  • 解決策を提示するのではなく、相手の思考を整理してあげることで「ちゃんと考えてくれている」と感じてもらうことで信頼が獲得できるというのはプライベートでも課題感を感じていた部分で、実践して行こうと思った。
Last updated on May 24, 2023 00:00 JST
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