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35/ ジャパニーズ・ドリーム 26歳上場企業社長のe革命宣言

2000年に藤田氏によって書かれたサイバーエージェントの創業物語本

1998年にサイバーエージェントを創業し、2000年に上場した直後に創業者の藤田氏によって書かれたサイバーエージェントの創業物語本

意思と忍耐

その時代、時代の大波と人々の求めるものを、誰もが思いつかなかった革命的なセンスで、リアルなビジネスへと転化できるのは、失うものが何もないベンチャー企業しかありません。私は大学卒業後、「インテリジェンス」という人材ビジネス会社に就職したのですが、入社したときの目標はただ一つ、「できるだけ早く起業すること」でした。しかし、同じような目標を持っている人間がまわりにたくさんいたにも拘わらず、ほとんどの者が日々の生活の中で目標を見失っていきました。最初のうちは土日も休まず働いていたのに、次第に週末は休むようになる。営業成績を上げることにあれほど燃えていたのに、次第に言い訳ばかりが多くなる——そんな具合です。「初心忘るべからず」「意志と忍耐」その気持ちが、起業家にとって何よりも重要なことであるにも拘わらず、大半の人がそれを忘れてしまうのは、やはり目標に対する集中力の甘さに原因があるのだと思います。

ビジョナリー・カンパニーを読んで真に起業を意識

  • インターン先の社長が読んでいた『ビジョナリー・カンパニー』を読むなと言われたが、読んだ結果、真に起業を意識するようになった

いま思えばこの本を読んでようやく、本気で起業を意識し始めたのかもしれません。 本の中で、特に感銘を受けたポイントを列挙してみたいと思います。

・すばらしい会社を始めるには、すばらしいアイデアは必要ではない。

・ビジョナリーカンパニーには、ビジョンを持った偉大なカリスマ的指導者は、全く必要ない。

・ビジョナリーカンパニーは利益を超えて、基本的な価値観を守ることを最大の目的にしている。

・ビジョナリーカンパニーの基本的価値観とは、「何を価値観とするべきか」ではなく、「実際に自分たちが大切にしているものは何か」である。 それが正しいかどうかは問題ではなく、それを深く信じているかどうかが重要である。

・ビジョナリーカンパニーの基本的価値観は揺るぎなく、それを維持しつつも進歩への意欲が極めて強い。

・ビジョナリーカンパニーは「社運を賭けた大胆な目標」に挑むことを恐れない。

・ビジョナリーカンパニーは、その基本的理念にぴったり合う者にのみに、すばらしい職場であって、合わない者は病原菌か何かのように追い払われる。その中間はない。

・大量のものを試し、うまくいったものを残す。綿密で複雑な戦略を立てて最善の動きを取っているかのように見えるのは、後から見ればそう見えるだけである。

独立を考え始めた頃の心境

インテリジェンスでの仕事は本当に楽しく、過去の実績にこだわることなく常に新しい事業分野にチャレンジしていく姿勢にも大いに共感を覚えていました。 … しかし、正直なところ、最初に感じたインテリジェンスのカリスマ性はやはり社長を始めとする経営陣の卓越した才能に起因していることに改めて気付かされた頃でもありました。 就職セミナーの際、あれほど輝いて見えた先輩社員たちも、全員が全員、自らのスキルアップと夢の実現を目指そうとして努力している人だけではありませんでした。

結局、どんなベンチャー企業でも、経営者と社員が全く同じ成長をするかといえば、やはりそうではありません。 社長は、もうどこへも逃げられないというギリギリの崖っぷちに自らを立たせ、それでもより上を目指そうと努力するからこそ、誰よりも一番成長する立場にいるのです。

逆に言えば、誰よりも早くキャリアアップを図りたいなら一社員ではなく、やはり社長、経営者という責任感と孤独感を味わう立場に身を置かないと、ほとんど意味がないと考えることも出来ます。

「このままでは本当の目標が見えなくなる…」

私はふと、サラリーマンとしての自分のスタンスにそんなフラストレーションを感じ始めていました。 以前読んだ本に市場価値が高い人材は共通して、誰かに背中を押してもらうのではなく、自らがスタート地点を設定して次のステップへ向かうことができる「セルフスターター」であると書かれていました。 「俺もそろそろ自分の背中を押さなきゃならないかもな…」

  • 丁度そんな時にインターン時代の会社でクーデター騒ぎが起こり、尊敬していた専務がその会社をやめることになった。
  • 専務と食事に行き「一緒に会社をやりましょう」という話になった。

専務らと別れ、1人でゼロから起業

彼らと一緒ならなんとかなる。しかし、後々になってこの考えが他者に依存した甘えであることに気づくことになったのです。

数年間は我慢して、ある程度の金は貯めないと会社はつくれないと悩んでいた渡しにとって、資金力と起業経験のある元専務らと会社を起こせるのは願ってもない話でした。

ずっと社長になりたいと思っていたのです。正直、起業話が本格化してからも叶わぬものとは知りながら、常に心の中ではその夢を思い描いてきました。

経験豊富な元専務を社長に担ぎ、私と中山が経営陣として支えるという図式が、多くの出資者を納得させるためにも精一杯の起業プランだったのです。

その会社で早くから経営陣の1人としてキャリアを積み、また次のステップへ進めればそれで良いと私の中でかなりの妥協があったことは事実です。

「1人でもなんでも、もうやるしかない。俺はやる、会社を作る」起業仲間もなく、事業アイデアもなく、人脈もなく、経験もなく、もちろんカネなど全然なく、私はまさしくゼロの状態でした。

長期で大きくなる会社をずっと意識

ベンチャー企業は成長すること自体が目的なので、いくら短期的に収益を上げても、それを会社を大きく飛躍させるきっかけに出来なければ、ほとんど意味がありません。

小さくてもキラリと光る会社。 そんな自己満足には全く魅力を感じません。企業をつくるのであれば、必ず日本を代表する大企業に育ててみせる、そう思って起業しました。

創業から半年、ついに会社を大きく飛躍させるきっかけを掴み、事業の軸足を「インターネット広告」という分野に絞り込んだのです。

社長に向いていないタイプという他者評価だった

  • インテリジェンスの上司から「お前は一番社長に向いていないタイプだ」と言われた。
  • リーダーシップ計測のテストでも点数が悪く、その時はかなり凹んだ。
  • だが、実際に社長になり、「誰がなんと言おうと今日から社長の器になる」と覚悟を決めた。

他人のサクセスストーリーに学ぶな

最初から他人のサクセスストーリーに学ぼうという思考態度では、新しい時代を切り開いていくことはできません。

過去に成功した事業化の実績は尊敬はしますが、それはその次代に即した成功であって、現在もそのまま通用するわけではないと思います。

起業家に必要なもの

  • 起業家には「頭がよくて」「せっかちで」「男らしく潔い」という要素が必要

「男らしい」というのは「即決力」と「度胸」をあわせた言葉で何事もスパスパ決断し、「最後には俺が責任を持つから」と言える度量が必要だということです。

Last updated on Apr 26, 2023 00:00 JST
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