AngelList創業者 Naval Ravikant氏のこれまでのBlog / Tweet / Podcastをまとめた本
以下、個人的メモ
自分の名前でリスクを取る
- 自らが説明責任を引き受け、矢面に立つことでレバレッジが享受できる。
- 説明責任を負わなければ追い込まれた者の底力は出ない。信用を築く事もできない。
- 自分の名のもとに失敗するリスクを張れる人が、莫大な力を得る。
- 準備段階から名前を売る。遠慮や恐縮ほど不要なものはない。
世界に何かが起こり、何かのスキルセットが必要になり、それを提供できるのが世界中で君だけしかいない、そんな瞬間を君は待っている。
その瞬間が訪れるまでの間、TwitterやYoutube、または仕事を無償で提供することで君というブランドを築いておこう。
君の名前を売り、その過程でリスクを取るんだ。
レバレッジをかける
- レバレッジをかけないと自分1人の提供価値以上のものは生み出せない。レバレッジは必須。
- 現代のレバレッジの種類は大きく3つ
- 人に働かせる
- 資金に働かせる
- 限界費用ゼロで複製できるプロダクトに働かせる
- この3つの中で最も強力なのが 「限界費用ゼロで複製できるプロダクト」
- 労働力のレバレッジをかけるには他人に従ってもらう必要がある。
- 資本のレバレッジをかけるには他人から投資などの資金提供を受ける必要がある。
- しかし、プロダクトは誰の許可も要らないPermissionlessなレバレッジである。
- プロダクトの中でも 「コード」と「メディア」 は限界費用ゼロで複製できるため圧倒的なスケールによるレバレッジが可能
- プログラムコード、本、映画、Podcast、SNS、動画などのプロダクト
- 上記のレバレッジをかけるためには 「Sell」と「Build」 の能力が必要。どちらもできれば無敵である。
- 「Build」には、サービス設計、開発、製造、デリバリー、ビジネスモデル、調達、運用などの「1つのプロダクトをつくるのに必要な能力」が全て含まれる
- 「Sell」も、セールスだけではなく、マーケティングやコミュニケーション、採用、資金調達、啓蒙などが全て含まれる
福利かつ長期で勝負する
- 人は、長期での利益よりも短期での利益を追い求める性質がある。つまり、誰もが秒速でブチ上がりたいのだ。
- しかし、成功という大きな事を成す道のりはいつも小さなことの積み重ねである。
- プロダクトを生み出し、事業を生み出し、機会を生み出し、投資を生み出しながら、たゆみなく富を生産し、積み上げていく必要がある。
- 20年前に共に働いて優秀でやる気もあると思っていた人材はほぼ全員が大成功している。
- ただし、十分に長い時間が必要だった。
- 自分が思い描いている期間内やはたまたそれよりも早期に成功することは非常に難しいレアケースであるため、辛抱と時間は必須である。
- 長い期間やり続けられる、楽しくて仕方がないことで勝負しよう。
ゼロサムゲームではなくプラスサムゲームをプレイする
- 地位のゲームは人類がサルだったときからやりつづけている古いゼロサムゲームだ。
- 誰が1番か?誰が2番で誰が3番か?という序列を決めるゲームでは、誰かが上位に上げるためには誰かが落ちぶれなければならない。
- 一方、富の創造はプラスサムゲームである。こちらをプレイしよう。
努力は過大評価され、判断は過小評価されている
- 時間を費やして努力することは必要だが、判断の方が重要。どれだけ速く動くかよりもどの方向へ向かうかの方が重要である。
- 判断、意思決定の質を高めるためには「明晰な思考力」と「空っぽな時間」が必要。
- 明晰な思考力とは「ゼロから知識を構築できる力」に寄る。
- 複雑な概念を「権威に頼った定義の丸暗記」でごまかすのではなく、「小学生にも説明できる」レベルでゼロから論理を組み立てて理解しよう。
- 思考力があっても考える時間がなくては良い判断はできない。
- 週に1日は「空っぽな日」を作ろう。良質な思考は退屈の後にやってくる。
迷ったら答えはNoである
- 結婚相手や起業仲間など、重要な決断を迫られた時、心を決められないなら答えはNoである。
- なぜならば現代社会は選択肢に溢れているからだ。これでもかというほどの選択肢が存在する。
- 人間は歴史的に150人規模の集団の中で進化してきたため、多くの選択肢が存在することに気づかないようになっている。
- 一旦、何かを選ぶとそこから長い期間抜け出せなくなるからだ。
- 選択肢が無限に存在するからこそ、何も持っていない選択できる状態の価値は高い。
- だからよほどの確信がない限り、Yesとは言わないようにするべきである。
本をWebページのように読め。古典から始めよ。
- ブログなどのWebページやTwitterなどのひとくちサイズの文章に慣れてしまうと、本を読むのが億劫になってくる。
- 本は読了しなくても良いし、何なら面白そうなところを1章だけ読んでも良い。読んでてつまらなくなったら飛ばし読みして良いし、複数冊を並列で読んでも良い。本をWebページやTwitterのスレッドのように読もう。
- 古い本にある解決策ほど多くの人のふるいにかけられているため、正しいことが多い。また、多くの本が古典の上に成り立っているため、先に古典を理解しておくとどんな本も怖くなくなる。古典から始めよう。
おまけ
Navalの最初の起業
- 1996年頃、アットホーム・ネットワークというテック系の会社に勤めていた
- 起業したいとは思っていたが、厳しい起業環境だったため、すぐには起業しなかった
- 起業するんだということを意気揚々と周りに言っていたために、同僚に「ここでいつまでも何してるんだ?」「まだここにいたのか」と煽られ、会社に居づらくなって退職し、会社を始めた
Navalの人生観
- 人生に意味はない。人生に目的はない。
大事なことを教えよう。足跡なんてない。後世に残すべきものなんて何もないんだ。みんないなくなる。子孫もいなくなる。業績は塵になる。文明は塵になる。地球は塵になる。太陽系も塵になる。
- 人生に意味や目的を見出そうとしたり、後世に何か残したいというエゴにとらわれた時、過去に滅びた文明のことを考えるようにしているそう。
- 例えばシュメール文明は偉大な功績を残した民族・文明だが、シュメール人の名前を1人でも知っている人は誰も居ない。彼らが作った実績で今も残っているものは一つもない。
所感
- 「プロダクト創出、事業創出が一番の楽しみ。だから創る。」「自由と時間を最重要視して徹底している。」などシンパシーを感じる部分が多く、入って来やすい思想が多かった。
- 自分は「Build」の領域で勝負するという方向性がここ数年で固まってきていたので、この本で「Build」と「Sell」について触れられていたことで更に言語化と確信が深まった。
- 「自分の名前でリスクを取る」の「準備段階から名前を売る」は、出来ていないので意識して改善していきたい。
- また「良質な思考のために空っぽの時間を設ける」ことはやらなくてはと思うが全くできていないことだったので、「良質な思考は退屈の後にやってくる。」という一節は効率厨を極めたような生活を送っている自分にとっては非常に刺さるパンチラインだった。