ドリー・クラーク氏が書いた人生戦略の本
以下、個人的に印象に残った部分をメモ
ロングゲームプレイヤーの心得
魅力的なことに対しても「ノー」を言う
ロングゲームのプレイヤーになりたい人にとって、「ノー」という言葉は究極の武器だ。そして武器という言葉からもわかるように、これは文字どおり「闘い」だ。
非常に魅力的な誘いが来た状況こそ、「絶対やる!」か「ノー」かの法則が役に立つ。興奮度が10点中9点未満なら「ノー」が答えだ。時には10点でも「ノー」と答えるのが正しいこともある。
自分の興味に最適化する
何をすべきか迷ったら、いつも面白そうなほうを選びなさい。長期的に考えようとすると、誰もが最初に答えを知りたがる。しかし、未来が完璧に見える人など存在しない。それに状況は時の流れとともに変化する。長期的な思考とは、12歳の時点で将来の目標を決め、あとはひたすらその目標に向かって計画を実行していくということではない
あえて極点な目標を立てる
私たち人間は、「失望を避けたい」という気持ちがとても大きい。そのため、どうしても安全策を選んでしまう。シニアディレクターや副社長を目指し、CEOは目指さない。あるいは、あえて「大きく考えた」つもりで、自分のバンドが地元のパブで週一回演奏することを目指す人もいる。全米ヒットチャートに入るバンドになることは目指さない。 しかし、ロングゲームで大切なのは、「バカげた目標は、今だからこそバカげて見える」ということだ。永遠にバカげた目標であるとはかぎらない。「自分にとって究極の成功とは何か?」と考え、あえて「極端な目標」を立ててみよう。
波で考える
顔を上げて新しいチャンスを『探すモード』なのか、下を向いて目の前のことに『集中するモード』なのか。この二つを混同してはいけない。目の前のうまくいっていること、まだ完全に可能性を引き出せていないことに全集中すべきなのに、顔を上げてキョロキョロしながら新しいチャンスも探していると、上を向いたり下を向いたりして首が痛くなるだけだ。 探すモードと集中モードで人生にメリハリをつけると、集中力を有効に活用することができる。
良いマルチタスクと悪いマルチタスク
タスクの互換性を意識する。
「会議に参加しながらメールを書く」などは互換性がない悪いマルチタスクだ。
「オーディオブックを聞きながら運動する」「ビジネスのクライアントと舞台を見に行く」など同時に行う2つのタスクに互換性がある場合は良いマルチタスクと言える。
時間にレバレッジを効かせるための自分への問いかけを常に行う
「自分の時間を何に使うべきか?」 「自分の行動のうち、80%の成果を出す20%の行動は何か?」 「何をやめることができるか?」 「制約を自分の利益になるように利用するにはどうするか?」 「自分はどんな未来を想定しているか? その未来から逆算して、今日はどんな行動を取るべきか?」 「1回の行動で10回の行動と同じ成果を出すにはどうするか?」 「私はどこに住み、どんな生活を送りたいか? その夢の実現のために行動を起こしたらどうなるか?」 「『ワーク』と『ライフ』を融合させ、どちらもより楽しむにはどうするか?」 「自分は今の時点でどんな『通貨』(人脈、一流雑誌への執筆、ポッドキャスト、クラブの会員権など)を持っているか? その通貨にレバレッジを効かせてほかの通貨を手に入れるにはどうするか?」
一年間は何も頼まない
ネットワーキングで知り合った相手に「利用されている」と感じさせてしまわないためには、「知り合って一年間は何も頼まない」ということが重要だ。
姿を見せ続ける
当時はまだSNSは存在しなかった。それでもこまめに連絡をとり、自分のキャリアの状況や、部署内の出来事を報告したという。 年月とともに連絡が途絶えてもおかしくなかった。しかしジェニーは連絡を欠かさなかった。
やがてそれが実を結ぶことになる。4年後にその上司がアジア太平洋地域のCMO(最高マーケティング責任者)に昇進すると、彼女を中国法人に誘ったのだ。 ジェニーは上司の推薦で、アジア13カ国における会社の主要製品のビジネス戦略とマーケティングを担当することになった。
人は「姿が見えなければ存在を忘れる」ものだ。 しかし、ロングゲームをプレイするには、その過程で出会った素晴らしい人たちとのつながりを維持する必要がある。
指数関数的成長を常に意識する
「一夜にして成功するには10年が必要だ」
みんなこれを信じていない。 むしろどこかに近道があるはずだと考え、近道を使ったように見える人がいると、自分もそれが知りたいと考える。
その技術はずっと存在した。密かに成長し、発達していた。ただ、初期の段階では変化が小さすぎて誰の目にも止まらなかっただけだ。 これは指数関数的成長の「欺きの段階」と呼んでいる。
人生のほとんどは「欺きの段階」だ。 ロングゲームをプレイするとは、その不安な時期を乗り越える粘り強さを持つということだ。
成功までの時間を正確に把握する
- 前例・ロールモデルを分析する
そもそも人は指数関数を意識することが難しいため、欺きの段階で心が折れてしまったり、焦ってしまったりする。
指数関数を意識するために効果的なのは、自分の理想を既に実現した人(ロールモデル)を見つけ、その人が成功するまでの道のりを詳細に調べる。 その上で彼らが成功までに費やした時間を正確に把握する。
そうすることで初めて自分の目標に対する現実的な計画を建てることができる。
他人と比較することでモチベーションが上がるのは良いが、たいてい焦ってしまうので、この方法で焦りという悪影響を避ける。
ジェフ・ベゾスは2018年にアマゾン株主に当てた手紙の中で「逆立ち」に関する話をしている。
「大抵の人は真剣に練習すれば2週間くらいで逆立ちはできるようになると考える。しかし、実際は半年間毎日練習することが必要だ。2週間でできると見積もっていると途中で諦めてしまうことになるだろう。」
ライバルよりも長期で考える
ジェフ・ベゾスは常に長期の難しい目標を探している。 他の人が恐れをなして逃げ出すような難しい目標だ。
2011年、ベゾスはワイアードのインタビューで次のように語った。
「3年単位の目標ばかり追っていると、たくさんのライバルと戦わなければならない。しかし、7年単位の目標にするとライバルは激減する。 なぜなら、そんなに先まで考える企業はほとんどないからだ。時間軸を伸ばすだけで短期では達成できないような大きな目標に取り組めるようになる。」
過程を忘れない
毎日、自分の部屋を出て最初にインターンしたビルを目にする度に自分はこんなにも遠くまで来たということを思い出す。
自分が達成したことを忘れてしまうのは簡単だ。しかし、忘れるとかつて出来たのだからこれからもできるという自身も忘れてしまう。 献身的な努力と充分な時間があれば、ほぼすべてのことは可能になる。