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14/ Tools of Titans -富-

ティム・フェリス氏が自身のPodcastでのインタビューをまとめた本

作家、ポッドキャスター、エンジェル投資家であるティム・フェリス氏が自身のPodcastでの各界の大物へのインタビューをまとめた本

以下、個人的に印象に残った部分を要約しつつメモ

クリス・サッカ (Google社員→Lowercase Capital Founder)

仮にスタートアップ企業で働くことになったとして、できるだけ多くのことを吸収し、自分の能力を高めていくために、何をすべき、また何に集中すべきでしょうか?

呼ばれていなくても、できるだけ多くの会議に顔を出すこと。そこで自分がどういう点で役に立てるのかを探すんだ。そこにいる人たちが、なぜあなたがいるのか分からない、という顔をしても、とにかくメモを取り始めればいい。その会社に関する資料なら何でも手当たり次第読んで、限られた職務からは得られない全般的な知識を身につけるんだ。そうすることで、自分を企業にとって役に立つ、重宝される存在に高めていくんだよ。私はこれまでいくつかの企業を渡り歩いてきたけれど、この方法はどこでもとてもうまくいったんだ。

経験してるがゆえに、最初の段階で想起されるべき仮定が、奥深く押し込められてしまうことが往々にしてあるんだ。 たとえばあなたが経験を積んできた分野があるとしよう。すると、そこで新しいことが起こっても気づかない。ちょっとした変調を見過ごしたり、どこにギャップが生じているかが見えず、欠けている点にも気づかない。まったく機能していない点にすら、目が向かなくなってしまうんだ

マーク・アンドリーセン (Netscape → a16z)

価格を上げろ

 「企業が生き残りをかけて必死に戦っている中で、彼らにとってのいちばんのテーマが、自分たちの製品を適正価格で売っていない、っていうことなんだ。  シリコンバレーにはびこる、成功したいのならばできるだけ安い値段をつけろ、そうすれば誰もが手に入れることができるじゃないか、その結果需要が増えて供給が拡大するだろう、という定説にみんな踊らされているんだよ。それで失敗する人たちを、いやというほど目にしてきたんだ。まさに『空腹すぎて食べられない』という問題に直面してしまってるんだ。販売宣伝費に見合うだけの価格をつけなかったら、誰もその商品を手に取ってくれなくなってしまうじゃないか。『あなたの商品は、お客がお金をもっと出してでも買いたいって思うようなものじゃないんですか?』と聞きたいね」

揺るぎない考えをいつでも手放せるようにしておく

仮に新しい会社を作ってみよう、投資してみようと思ったときに、揺るぎない信念を持つにこしたことはないんだよ。だって、ものすごく膨大な時間とお金、もしくはその両方かな、をそこに費やすことになるんだからさ。だけど、もし世界が変わってしまったらどうなる? 予想もしなかったことが起こってしまったら?」 ここで「いつでも手放せるように」というフレーズが意味を持ってくる。どんな人でも、いったんこうと決めたことを変えるのを嫌がる。けれど新しい情報を頭に入れて、他のものを取り入れる準備をしなければならない。

おまけ

私の目標は誰よりも早く、多くの失敗を積み重ねることではなく、長期的な成功を収めることだ。両者はまったく別物だ。

デレク・シヴァーズ (Musician, Programmer, Wood Egg Founder)

ロバにはなるな

みんな1度にたくさんのことをやろうとしているんだけど、手を広げすぎて、1つとして成果を上げられてない。それで彼らは、世の中は自分にどれか1つの道を選ばせようとしてる、やりたいことを全部やりたいのにって、イライラしてるんだ。『どうして選ばないといけないんだ? 何を選んでいいか分からないのに!』。こんな具合さ。目先のことしか見ていないから、自然とそういう行動を取ってるんだってことが分からないんだよ。1週間でやりたいこと全部なんてできっこないだろう? だから期待どおりに進まないんだ。長い目で見なくちゃいけない。やりたいことのうち1つを、この先数年でやり遂げられるって実感するんだ。それから次にやりたいことを、その先数年でやってみよう、ってそういう風にずっと繰り返していけばいいんだ。

ロバにはなるなって言いたい。やりたいことは時間をかければ全部やれる。先を見通す目と忍耐力、これを身につけるだけでいいんだってね。

シャカリキになっても大して成果は変わらない

「それが何であれ、僕が顔を真っ赤にしながら、息を切らしてハァハァ言っても、それを、ものすごくストレスに感じていても、そのストレスが生んだものはたった2分の差でしかなかったんだ……。それってほとんど意味がないとは思わない? そして思った。人生のあらゆる場面で最大限の力を出すこと──たとえば、あらゆるものから最大限のお金を引き出そうとか、毎分毎秒全力を出し尽くす、とか──こんなことにストレスを感じる必要なんて、まったくないんだよ。それ以来、正真正銘、僕はこのスタイルを、生活に取り入れるようになった。何かに取り組むとしても、ストレスを感じる前にやめてしまうんだ……」

リード・ホフマン(Linkedin)

いかに簡単で価値のある問題を解くか

事業戦略というものはある意味、最も単純で、最も簡単で、最も価値のある問題を解決することなんだ。

これはパレートの法則(80/20の法則)とも共通する。 最も価値があると思うものの中で自分が一番簡単にできることはなんだろう?

ピーター・ティール(PayPal)

10年計画を半年でなんとかする方法はないか?

 「もし20年、25年前に戻ってやり直せるとすれば、時を待つ必要など何もなかったのだと知っていれば良かったと思うね。私は大学にも行ったし、その後でロースクールにも行った。うんざりするほど長い期間ではなかったけれど、法律の世界にも足を踏み入れたし、銀行にも勤めたんだ。だけど、ペイパルを立ち上げて初めて、何かを始めるのに待つ必要などない、ということに気づいたんだ。  だから、もしあなたが何かを始めたいと思っていて、それを成し遂げるための10年計画を温めているのだとしたら、自分の胸にどうかこう聞いてみてほしい。これを半年でどうにかすることはできないものか? と。」

失敗は過大評価されている

 「世間の人たちは、失敗というものを過剰に評価しているように思う。大半の事業が失敗に終わるとき、そこには1つ以上の理由が存在している。したがって事業が失敗しても、そこから学ぶことは何もないだろう。あなたは、事業が失敗したのは、理由その1のせいだと考えるかもしれないけれど、そこには理由1から5が存在していたんだよ。そして次の事業では理由その2で失敗し、そのまた次は、理由その3が現れて、という風に繰り返されていくんだ」

クリス・ヤング(アマチュア発明家)

父が「将来なにをしようかなんて悩む必要はない。お前がなろうと思っているものはまだ世に現れていないんだから。おもしろい仕事というものは、自分で創り上げるものだ」と言ってくれたことをはっきり覚えている。

スコット・ベルスキー (Benchmark)

僕は伝説的な作家たちが言うところの『お気に入りの人物を殺す』ことを学んだ──つまり、小説からプロットポイント(主人公に行動を起こさせて、ストーリーを異なる方向へ転換させる出来事)や登場人物を、思い切って消してしまうんだ。時には、いちばん大切なものを手塩にかけて育てるために、大好きな他の何かをやめる必要があるんだよ

ピーター・ディアマンディス (Xプライズ財団)

 「まず言っておきたいのは、10%大きくしようとした場合、すべての人間が競争相手になってくる。誰でもそれくらいのところは目指せるからだ。でも、10倍の大きさにしようとすれば、誰もついてこない。自分自身との戦いになる。僕で言えば、小惑星採掘なんかがいい例だ。そこでの競争相手はそんなにたくさんいないし、これから増える見込みだってない。それから、長生きに関しても、HLI(ヒューマン・ロンジェビティ・インク)を通じて健康寿命を40年延ばそうという試みを続けているけど、それに取り組んでる企業も、そんなに多くはない」  「2つ目は、仮に10倍の拡大を目指すのであれば、まっさらな状態から始めないといけない。課題への取り組み方だって、まったく違ったものになってくる。お気に入りのたとえ話を教えよう。テスラだ。イーロンは一体どうやって、もっとも安全かつ、もっともとっぴな車を、白紙の状態から作り上げることができたんだろう? それもアメリカじゃなくて、海外でだ? もちろん、過去の遺産を引っ張ってきた、なんてこともない。そこが重要なんだ」  「それから3つ目。10倍大きくするのか、10%増にとどまるのか。10倍を目指したところで、100倍必死にならないといけないわけじゃない。でも、手にするものは、100倍以上にもなる」

Last updated on Nov 30, 2022 00:00 JST
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