ティナ・シーリグ氏のスタンフォード大学での講義について書かれた本
自分の殻を破る
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有名な「5ドルを元手に2時間でお金を増やす」授業の話から以下の3つの教訓が得られる
- チャンスは身の回りにいくらでもある
- 問題は限られた資源でも必ず解決できる
- 私達は問題を狭く捉えがち
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T型人材の育成を目指す
- 少なくとも1つの専門分野で深い知識を持つと同時にイノベーションとアントレプレナーシップに関する幅広い知識を持っていて、異分野の人たちと積極的に連携してアイデアを実現できる人
悩みからチャンスを見出す
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本物のイノベーターは困難な状況でも解決策を見出す
- Slackの事例
- Instagramの事例
- パーム・パイロットのジェフ・ホーキンスの事例
ジェフは物事が順調に進みすぎるとかえって不安になるといいます。すぐ近くに落とし穴があると分かっているからです。 どこかでつまずくことが分かっていました。それが何なのかは分かりませんでしたが。経験から問題は避けられないものであり、成功の秘訣は即座に挽回することだと知っていたのです。
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問題を明確に特定できれば、その解決策はおのずと明らかになる
持ち時間が一時間で、問題の解決に人生がかかっているとすれば、55分は問題を特定するのに使う。適切な問題さえ特定できれば、ものの5分で解決できる by アインシュタイン
- 常識だと思われていることを洗いざらい上げていき、見直すこと
- シルク・ドゥ・ソレイユの事例
- Impossible Foodsの事例
当たり前だと思っていることを、たったひとつ入れ替えるだけでも、あなたの生活は面白いように揺らぎます。本気で自分の思い込みを探りあて、見直そうという気があるなら、選択肢は無限にあることを肝に銘じておいてください。
ルールは破られるためにある
「あなたはどうかしている」と身近な人から言われたらいい線を行っている証拠だと考えます。
- アイデアに悪いものなど無い
- 実現の可能性がなければ価値はないという思い込みをなくす
- 大胆なアイデアは単に私達が無意識に課してきたルールを破ることで生まれる
- 「許可を求めるな、許しを請え」
- ルールを破るためには「自分自身に対する期待や他人からの期待を裏切る」ことも有効
機が熟すことなどない
- 自分で自分の背中を押す
これで行ける、と確信できたところでプログラマーを雇い、本格的に製品化しました。「君ならできる」とか、「こうすべきだ」とか、誰かに言われたわけでもありません。……わたしはただ、やったのです。
人間は二つのタイプに分かれることがわかってきました。自分のやりたいことを誰かに許可されるのを待っている人たちと、自分自身で許可する人たちです。自分自身の内面を見つめて、やりたいことを見つける人がいる一方で、外からの力で押されるのをじっと待っている人もいます。
成功している人たちは、自分自身を成功に導く道を見つけ出しているのです。なにか秘訣があるわけではないし、密約があるわけでもないし、魔法があるわけでもありません。
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自分のスキルが他の分野でどう活かせるかを考えることが、チャンスに繋がる
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固定マインドセットではなく成長マインドセットを持つ
自分ができることはこれだ、という固定的なイメージを持っている人は、そのイメージが揺らぐようなリスクを取ろうとはしません。これに対して、できることを増やそう、という成長志向の人は、自分の掲げた目標を達成するために、リスクを取ることをいとわず精力的に動く傾向があります。新しいことに積極的に挑戦して、自分の可能性を伸ばします。
失敗は財産になる
- 実際にやってみて失敗と成功を経験する中でのみ深く学ぶことができる
自分でやってみもしないで学ぶことはほとんど不可能です。リーダーシップに関して言えば本を読むことならいくらでもできますが、本物のリーダーが直面した課題を自分でやってみない限り、リーダーへの備えはできないのです。
- 失敗として見切りをつけるのは早いほうが良い
何かを決める際には、過去にどれだけコストをかけたかを考えに入れるべきではない──たいていの人は、この原則を知っている。だが「投資し過ぎて、引くに引けない症候群」はかなり強力だ。何年も努力や苦労を重ねてくると、つい正当化したくなり、自分自身にも周りにも「これには何か価値や意味があるはずだ」とか「だから、ここまで賭けたのだ」と言ってしまう
キャリアアドバイスは意味がない
- 進むべき道を探すプロセスはAgileに行う
自分にはこれしかないと早いうちに決めつけてしまうと、行き先を間違えてしまうことになりかねません。
「人は乗るべき列車ではなく、乗るべき時刻を気にしすぎている」
- Agileに行うために頻繁に自分の生活やキャリアを点検する
- そうすることで自分の実力を発揮するには環境を変える必要があるとわかってくる
毎日、あるいは週に一度、自分の生活や仕事を振り返り、調整して、たえず最適化を図っている人たちがいます。一方で、何年も経ってから、行きたかった場所からずいぶん遠ざかったと気づく人たちもいます。自分が置かれた状況をしょっちゅう点検し、その都度、問題を解消する方法を探していけば、うまく回る可能性は高まります。
幸運は自分で呼び込む
- 運の法則
- 人とのつながりを最も大事にする
- 相手の立場に立って、困っている人を積極的に助ける
- 人と会うときは相手の目を見て笑顔を絶やさない
- 機会を注意深く見つける
- コミュニティのイベントの情報に詳しく、近所に越してきた人にいち早く気づく
- 機会を活かすマインドセットと行動をする
- 初めての機会を歓迎し、経験のないことにも積極的に挑戦する
- よく知らないジャンルの本を読み、あまり知らない場所にでかけ、自分とは違う人達とも交流する
- 楽天的で自分にいいことが起きると思っている
- 人とのつながりを最も大事にする
わたしが「幸運な」体験ができたのはその場に身を置き、誰かの役に立ちたいと思い、二年経っても連絡を取ろうとしたからこそなのです。
この本が生まれたのも、飛行機で隣り合わせた人と話したのがきっかけです。
どこかにでかけて新しい人と出会わないなら、友達をつくる機会と100万ドルを手に入れる機会を逃したということだ。
自分の評判を高める
- 「人生で何度も同じ人に会う」
- 必ず感謝を表明する
お礼状を書くのは当たり前で、書かないのは例外だと思って下さい。
毎日一日の終りにその日の出来事を振り返って、プロジェクトの打ち合わせで会った人やランチを一緒にした人に短い御礼のメールを書くのです。
- 謝り方を身につける
自分が失敗したと認めるだけでも、大いに役立ちます。長々と言い訳する必要はありません。ただ、「うまくできませんでした。申し訳ありません」と伝えればいいのです。
- 優先順位を上から3つに絞る
人生の優先順位は変わっていくものだと認識したうえで、そのときどきの優先順位を三つだけ決める方法があります。この考え方は目新しいわけではありません。じつは、アメリカ海兵隊をはじめ軍隊では、一般原則として「三つのルール」が活用されています。長年の試行錯誤の結果、大多数の人間が遂行できるのは一度に三つまでであることが判明したため、軍事システム全体の設計にこれが反映されています。中隊長は三人の小隊長を束ね、小隊長は三人の分隊長を束ね、分隊長は三人の班長を束ねます。陸軍では「四つのルール」を束ねましたが、効率は目に見えて落ちたそうです。
自己流から抜け出す
- 交渉する際は必ず「間違った思い込み」があるため、それを特定する
- 間違った思い込みを覆してWin-Winな結果を作ることはできる
及第点ではなく、最高を目指せ
- 「しようとしている」と「する」は決定的に違う
- 学生に「空き瓶を奪おうとして」と指示するのと「空き瓶を奪って」と指示する場合で結果が異なるという話
「しようとしている」というのは、言い訳に過ぎません。何か事を起こすには、最低でも一〇〇パーセントの力を発揮しなければなりません。一〇〇パーセントの力を出す気がないのなら、目標が達成できなかったとき、責めるべきは自分しかいないのです。
起業家として成功するには、人と競争するよりも自分の情熱に火をつけたほうがずっと生産的
エントロピーゲーム
- 不確実性を愛せ
先行きが不確実なのはギフトなのだと思っています。いまだにどの道を行くべきか迷うときがあり、目の前の選択肢にたじろぐことがあります。でも、いまならわかります。不確実性こそが、可能性の扉を開けてくれるのだと。
不確実性こそが人生の本質です。イノベーションを爆発させる火花であり、私達を前進させてくれるエンジンなのです。
快適な場所から離れ、失敗を恐れず、不可能だと決めつけることなく、あらゆる機会をとらえれば、可能性は無限に広がり、輝くことができる。